先月末、戸塚支部の組手練習会に参加してきました。
【全体の流れ】
・主催の戸塚支部をはじめ、7支部総勢約50人が参加する、活気のある練習会でした。中原支部からは、先生方含め大人6名、子供6名の合計12名が参加。最初から最後まで組手づくしの練習会で稽古に励みました。
・流れとしては・・・ (準備運動は各自で行った上で)合間に小休止を挟みながら・・・
1) 打ち込み
→時間を決めて、時間内に交互に技を出し合う形式での打ち込み。伊藤先生(戸塚支部)からは、「ただ単に技を出すだけでなく、試合で決めにいくつもりで間合いやタイミングを考えていきましょう。焦らなくて良いから」
とのアドバイス。試合のような心づもりで神経が磨り減るからか、序盤から結構体力を使いました。
2) 返し技
→打ち込み練習と同じく、(何を仕掛けてほしいか相手に申告して)返し技を交互に出し合う練習。
伊藤先生からは(野球のバットとボールに例えながら)「せーの、どん で合わせに行くイメージ。相手が来てから合わせにいくのでは遅い。待ち構えて先に取りに行く。ワンツーであれば、ワンとツーの間に入れる」とのアドバイス。自分は中々タイミングがつかめず、いつも遅れ気味です・・。
3) 自由組手(審判なし)
→審判なしで自由組手。目慣らしに近い感じですが、ほぼ試合に近い形で進めます。伊藤先生より、
「がむしゃらに技を出していくのではなく、(スピードは必要ですが)ひとつずつ技を丁寧に、決めに行くつもりで出して行きましょう」とのアドバイス。
4)自由組手(審判あり、試合形式・協会ルール)
→1分区切りで練習試合をガンガン続けていきます。メインは子ども達。先生方が審判に入って、子供達は4グループに分かれて練習試合を繰り返していきます。途中、悔し涙(?)を流している子はいたようですが、心が折れてしまうような感じになった子はいなさそうでした。(みんな、心も体も強い!)
子ども達が休憩に入っている間、大人の練習試合。子ども達に負けないよう、心を奮い立たせて向かっていきます。(そして玉砕しまくります)
最後は、少し終了時間を延長して、子供・大人それぞれ団体戦もしました。負けチームは罰ゲームで、全力の平安初段!長丁場、お疲れ様でした・・・。
【伊藤先生からのアドバイスあれこれ】
稽古の合間に、伊藤先生より色々アドバイスがありましたので、紹介させていただきます。特に試合形式の稽古に入るにあたって、の注意点が多かったと思います。
1) 技を決めに行くタイミング
前に出ることは大事ですが、何も考えずに焦って技を出しても、決まりません。例えば、相手が完全に間合いをはずして(すでに体制ととのえて構えて)いるのに、追いかけて何度も突きに行っても意味がなく、「崩れたところ」を狙いましょう、ということ。崩すために、フェイントを混ぜたり、ワン・ツーで終わるのではなく、もう一本すかさず追い打ちをかけたり。
2)返し技の際の目線
返し技で応じる際に、たとえば中段突きを出そうとして、どうしても目線が下になってしまう人が多いですが、「目線が下に向かっている、ということは体の軸も絶対にブレてしまっている(前傾している)」状態になっているはず。
意識して目線は相手の目に向けるようにすれば、自然と体の軸も安定して応じることができるはずです。
3)立ち方
基本の稽古の際に、前屈立ち、後屈立ち、騎馬立ち、色んな立ち方を学びますが、これはその場基本や移動基本の時だけ使うものではなく、もちろん自由組手にも活かせるのです。協会系の人は(力強い技で決める必要がある、という前提から)前屈気味に構える人が多いですが、後屈気味に構えれば、相手の技をさそって、後ろ足の溜めを利用して返し技も出しやすいし、騎馬立ち気味に構えれば、前にも後ろにも自由に重心を移せます。
ただ、後屈気味に構えるといっても、のけぞるような(頭・顔が後ろに倒れるような)体制になってはだめです。
あくまで体の軸はまっすぐに、重心を後ろに移して相手の技を誘います。
4)技が決まったかどうかを決めるのは自分ではない、審判だ、ということ
「技あり」を取る権利があるのは誰か、というと、それは選手ではなく、審判です。なので、審判に「決まった」と思ってもらえなければ、たとえ自分が「うまくいった」と思っても、審判から見て間合いや技の強弱が不十分と感じられてしまえば、技あり(有効)にはならない、ということです。
したがって普段から、間合い、強弱、正中線を取れているか(コース)を意識して、「どうすれば審判に取ってもらえるか」を考えながら取り組むのが大事です。
(これは少し余談になりますが、3月の合宿の懇親会でお話した時に、「審判目線を学んでもらうために、子供達にも稽古の中で、練習試合の審判をさせたりしている」ともお聞きしました。)
5)ポジション取りの話
試合をうまく有利に運ぶために、「ポジション取りが大事」だということです。ちょっと難しい話ですが、イメージしやすいように、自分が伊藤先生に稽古をつけていただいた時のお話をしますと・・。
先生が左足前に構えておられるので、自分が左前に構えて刻み突きに行こうとすると、先生は前に出ている手を「スっ」と閉じ気味に(左手をご自身の右下あたりに)動かし、「刻みが来たら内受けで逆突きを返しやすい」体制になり、自分が右前に構えなおすと、今度は先生の左手が開き気味に(ご自身の身体の左気味に)動かし、「刻みが来たら外受けで逆突きを返しやすい」体制に構え直されます。
こうなると、「どこから攻めても返されそう」で、ポジションだけで自分が不利な状況になり、逆に言えば先生は常に有利なポジションを取っている状況になります。(結局どう攻めていいやら分からず、蹴りに行ったところ足を刈られてスっ転ばされて一本・・・でした。)
自分の説明が下手なので「ちょっと何言ってっか分かんねぇ」という人も多いかもですが、要は「自分の有利な体制を常に作っていくようにしましょう」ということでした。これは、空手に限らず、バスケでも、サッカーでも、どんなスポーツでも重要なポイントですよ、と仰っておられました。
6)データを蓄積していくということ
普段稽古で相手をしない人との試合になると、いつもとは違う動きを経験できるので、色々試して「これは使えるな」「これはあまり上手くいかないな」といったデータをどんどん集めていきましょう、ということでした。先生から頂いた色々なアドバイスも、「そうすればだれでも絶対上手くいく」と決まっているわけではなく、「自分はこうすれば上手くいくな」という経験則を、こういう練習試合等の機会で積み重ねていきましょう、とのことでした。
ちょっと長くなってしまいましたが、せっかく色々教えていただいたので、少しでもご参考になれば・・と思う次第です。
いやぁ、組手練習会、しかも戸塚支部、きつかったぁ~ぶっ倒れるかと思った。
....って、私は参加していないのですけどね。(>おぃこら!!)
今回はマッスーさんにレポートしていただきました。詳細なレポート本当にありがとうございました。
言い方は悪かったらすみませんが、「三度の飯より空手(特に組手)が好き」という方が、全国にいらっしゃいます。いや、世界中かも知れません(個人の意見です)。
神奈川においても、そんな方々が有志で練習会をおこなったりしております。私も以前にお世話になった事があります。
師範のブログにも
自然と高い志がある者が集まるものです。だから質の高い稽古が出来るし、それを続けているから強くなるんですね
とあります。その通りですね。子供達にも良い稽古となった事でしょう。
師範のブログの今回の件↓
https://ameblo.jp/jkanakahara/entry-12859368422.html